東北地方太平洋沖地震後3年が過ぎました。東北地方、関東地方の一部の県では、それぞれ解決すべき問題がなお山積し、未だ復興にはほど遠い状況が続いています。
被災された会員、会員のご家族、親戚、友人、そして指導されている児童、生徒の皆様に対して、改めてお見舞い申し上げます。また、被災後不幸にして亡くなられた方々のご冥福を深くお祈り申し上げます。
学会の会員の教員にはこうした地域の方々も数多くおります。被災後3年後の今日において、精神的に、肉体的に疲弊した児童・生徒のケアでなお厳しい毎日をお過ごしの先生方、くれぐれもご自愛下さい。教育活動に従事する本学会会員一人ひとりにおいて、この震災という厳しい経験から学ばなければならないことが多数ありました。本学会誌「理科の教育」では、特集も含め、防災教育、放射線に関わる教育という大きな課題に対して、微力ながら取り組んで参りました。もちろん、十分とは言えませんが、今後とも本学会における重要課題の一つとして位置付け、その解決へ向けた活動を進めていくことを改めて確認したいと思います。
それは、教育こそが社会の再建にとって、最も重要な地位を占めることと信じているからです。児童、生徒の明日を考えると同時に、遠い未来へも目を転じながら、新しい学校教育、理科教育を今後とも会員の皆様と共に模索していきたいと思います。被災された会員の皆様の生活や学校が一日も早く再建され、平穏な生活にもどられることを心からお祈りいたします。
平成26年4月1日 日本理科教育学会会長 森本信也